2006年9月21日付の「腰痛が痛い」でも書いた。長年、慢性的な腰痛と、たまのぎっくり腰に悩まされていたが、2006年の夏から2007年にかけて、慢性的な腰痛がひどくなっていた。だいぶ前の話であるが、その腰痛が、鍼灸治療で軽くなった話を記しておきたい。今のところ、軽くなったままキープしている。
当時のブログにはこう書いていた。
左股関節後ろ側~でん部~腰部に痛み。夜に調子がよく、朝起きたときが一番痛む。骨盤を浮かして寝返りを打つ動作、左の腰を後ろにそらす動作をすると痛む。まだ痛い。7月末に日帰りで、松本に出張したのだったが、直江津・長野間の在来線ロングシートで居眠りしてから、同じ部分に筋肉痛っぽい違和感があった。大事にせずに8月中スポーツジムに通って、筋トレを続けたのが長引いた理由かもしれない。腰痛ベルト、テーピングをするとかなり楽になる。夜に調子がよいことから、血行不良が主因かもしれない。
日常的な生活、仕事に大きな不都合はなかったのだが、腰が慢性的に痛かった。症状としては
で、評判のいい柔道整復師のうわさを聞いて、3回ほど通ったのだが、軽くはならなかった。そこで受けた施術はベッドの上にあおむけに寝た状態で、下半身をゆっくりと大きく左右にひねる操作をした後、よくある低周波の電気を当てる治療であった。
そのうち治るだろうと思って放っておいたが、全然、よくならない。そんな状態が半年以上続いた2007年の3月頃だった。出張の時、部屋にマッサージを呼んで、指圧してもらっていると、例によって、左の腰を押されたときに、「痛い、痛い」と叫んでしまった。中年男性のマッサージ師、「ああ」と納得し、「一度、鍼(はり)したらどうですか?私、同じ症状で鍼で治ったんです」と言う。同じ症状の人が治ったと言っているのは心強い。以前、はりきゅうで効果がなかったことがあったが、あれはぎっくり腰直後の急性期だった。慢性の症状だと違うかもしれない。
鍼灸院は近所に散在しているが、どこに行けばいいのかわからない。家か勤務先に近いところで、繁盛しているところがいいだろうと考え、患者さんが出入りしているのを頻繁に見かけるある鍼灸治療院に目星を付けた。
電話をして初診の予約を入れた。この鍼灸院は保険がきくらしい。初診時に書類を渡され、かかりつけの医師に腰痛の症状を話して、鍼灸による治療が適切である旨の所見を書いてもらうようにいわれた。最初の2回程度は初心者向けの軽い施術をするという話だった。
初診料がいくらだったかは忘れたが、2回目以降の費用は1回700円であった。7000円ではない、700円。保険の効く分が1700円×0.3で510円、保険の効かない治療の分が190円で、合計700円。期待していなかったが破格の安さであった。「保険の効く鍼灸院が少ないのは、保険で決められた1700円じゃバカバカしくてやってられないから」だそうだ。普通は保険外で1回3000~5000円みたいな話だった。700円の徴収もユニークで治療後、出口に置いてある缶に自分で700円を入れて行くスタイルだった。お釣りも自分で取っていく。診療の予約も、待合室に置かれたスケジュール表に勝手に書いていく。スケジュール表は予約で一杯である。
カーテンで仕切られたスペースが3つあり、それぞれに高さを変えられるベッドが備え付けられている。ベッドに敷くバスタオルは自分で持参する約束であった。男性は大きめのバスタオルを2枚持参するように言われた。
施術は3つのベッドで並行して進んでいく。施術は以下のようなもの。
靴下、シャツも脱いで、パンツだけのスタイルになり、仰向けに寝て待つ。バスタオル一枚は下に敷いて、もう一枚はパンツの上にかけておけばよい。しばらく安静にして待つ。
まず、脈を見られる。脈の様子で逆になることもあるが、通常は仰向けが先で、後で横向きになる。仰向けで、鍼を眉間、肩、腹、腿、すね、足の甲に打たれる。その場所で開封した新品のハリを1mm程度の深さに打つそうである。ハリの入ったまま寝て待つ。
しばらく待つと、別の施術者(女性)が灸を持って現れ、ハリの入っている部分に火を着けた灸を近づける。近づけてしばらくすると熱くて我慢できなくなるので、「はい」と合図して止めてもらう。同じことを全身に行う。
また、しばらく待つと、初めの施術者が戻ってきて、ハリを抜き、今度は横向きの体勢でハリを打っていく、首筋からふくらはぎまで。今度は痛い部分がメインである。
その後、同じように灸の人が現れて、同じように灸を近づけて、我慢できない程度まで灸で温める。初めの施術者がハリを抜いたら終了。
週2回通ってくださいと言われたが、そもそも予約が取れないので、ほぼ週1回のペースで約半年間通った。
効果を感じたのは3回目くらいであった。腰が痛いので、ズボンを履くのにも気合が必要だったのだが、施術後、左足をあげてズボンを履くときに痛みが軽くなっているのに気付いた。施術直後に痛みが軽くなるのは、それまでよくあったことで、翌日とか数時間後に痛みが元に戻ってしまうことが多かった。そのときも、すぐに痛みが戻るのではと思ったが、痛みの軽い状態は続いた。
施術5回目で痛みがほぼ半分、10回目で痛みがほぼ1割になった。意外であった。上に箇条書きにした症状はほぼなくなった。
3月から鍼灸院に通い始めたが、7月初旬に出張先でマッサージを受けた時には、左腰をいくら押されても、もう痛くなかった。
今でも、腰痛はあるが、2006年ごろに悩まされた症状は軽快している。もう再発はないと信じたい。
通った鍼灸院の話によると、自然治癒力を引き出しているのだそうだ。針と灸とどちらが効いたかは判断しにくいが、灸を当てられるときに、次どこに熱いのを当てられるだろうと神経をウズウズさせたのも良かったような気がする。
私に、針灸を勧めてくれたホテルの男性マッサージ師は、私と同じような体格、体型の男性であった。同じような体格の同性の人が、同じような症状に聞いたというのが、大事なのかもしれない。
また、別の人によると、筋肉の多い男性の方が、針灸による自然治癒力を引き出し易いという話だった。
腰痛に悩む人は多いが、慢性的な腰痛が整形外科に通って治ったという話はあまり聞かない。よく聞くのは整体に通って良くなったと言う話だが、良い整体院を探し出すまでが一苦労である。基本的に整体師は無資格の世界なので、整体院は選ぶ必要がある。正直、針灸に通うまで、そんなに効くとは思っていなかったのだが、治ったのは意外であった。
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