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2007年4月22日 (日)

行列のできるたこ焼き屋と律速段階

松任アピタ内に行列のできるたこ焼き屋「築地銀だこ」がある。大阪のたこ焼きとも違うし、明石~姫路地方で売られている明石焼き風たこ焼きともまた一味違うたこ焼きである。作り方を見ていると、たこ焼きの天ぷらといってもよいのかもしれない。

この前も私が並んでいると、行列の人数は約8人。ガラスウィンドウ内で3~4人の焼き手がたこ焼きを次から次へと焼いていて、焼きあがって並べられているたこ焼きはおよそ10人前あった。36人前まで同時に焼けるたこ焼きプレートが並んでいた。一方、レジは担当が1人、「かつおぶし、青のりはかけてよろしいですか?マヨネーズはからしと普通のがありますが?すぐに召し上がりますか?」などなど色々、質問をしながら、包装していくので時間がかかる。

気づいて、私がぼそっと「レジが遅いんやな」というと、前に並んでいた見知らぬおばさんも「そうやわー。たこ焼きは焼きあがって並べてあるのに・・・」と賛同した。

化学の分野ではこれを「レジが律速段階(りっそくだんかい)」であるという。

このたこ焼き屋には

 たこ焼きを焼く → レジで包装して売る

の2つの逐次プロセスが存在するわけだが、レジが遅いために、たこ焼きが早く焼きあがろうが無関係に、レジのスピードで販売速度が決まってしまう。上のようなときは、レジ要員を焼き手の要員からまわすなどして、たこ焼きを焼き上げる速度とレジの速度を均等にすべきなのである。

行列のできる店の中には、行列を意図的に作るように仕向けているのではと思わせる店が多い。銀だこの販売戦略はどうか知らないけれど、松任アピタ店では、とにかくいつも焼きあがったたこ焼きがウィンドウ内にたくさん並んでいるので、常にレジが律速となっている。

煮干だしで有名な東京・永福町の大勝軒というラーメン屋も行列ができているが、あれはラーメンが熱すぎてすぐに食べられず、しかもスープに油が張っているので全然冷めないこと、2人前分の麺が入っていることなどが、行列のできる理由である。客がラーメンを食べ始めてから食べ終わるまでに20~30分を必要としているが、これは他店の数倍だ。私は行列しながら見積もったことがあるが、他店なみの速度で客がラーメンを食べ終われば、永福町大勝軒は行列ができないという計算結果であった。大勝軒の場合は客がラーメンを食べる過程が律速ということになる。

化学を専攻した人の間では、「○○がリッソク」などという言い方をよくする。20人近くが原稿を寄せて、一冊の本を出すようなとき、Oさんの原稿が遅いと、出版時期はOさんによって決まってしまう。こんなとき「Oさんリッソクですね」などと嫌味を言い合う。PCの動作が遅くて原稿が仕上がらないと言い訳する人に対しても「リッソク段階はOさん側じゃないんですか」などなど。『立花隆秘書日記』(佐々木千賀子著、ポプラ社)にも、東大の学生が互いに「リッソク、リッソク」と指摘しあうのを見て秘書が、不思議に思うエピソードが出ていた。

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