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2008年2月27日 (水)

研究者の確定申告 -初めてPCから電子申告

研究者が、何で確定申告をする必要があるのかと疑問に思う人がいるかもしれない。意外と知られていないが、本業とは別にわずかでも原稿料収入、講演料収入があれば、確定申告で、税金が戻ってくる場合が多い。

■ 原稿料、講演料から、あらかじめ1割引かれている税金を返してもらう

依頼されて原稿を書いて原稿料をもらったとか、講演を頼まれて謝礼をもらったなどの場合、あらかじめ税金として1割に相当する額が差し引かれている(源泉徴収)。本業が別にある研究者等の場合、この1割天引きされた税金については、確定申告すれば戻ってくる場合が多い。

研究者が原稿を書いて原稿料をもらえることは滅多にない。学術論文を書いて雑誌に載せてもらう場合、大抵は逆に持ち出しである(別刷り購入代、場合によっては掲載料等)。それでも、たまに依頼されて解説記事などを書くと5千円とか1万円とかのレベルで、原稿料がもらえることがある。

原稿料が1万円なら、手元に来るのは9千円で、1割の千円が税金として源泉徴収されてしまっている。私も、最初は知らずに損をしていたのだが、原稿を書くのに経費がかかった場合、経費に相当する分には税金がかからないので、確定申告すれば戻ってくる。例えば、1万円の原稿料収入を得るのに、1万円以上の「経費」を使った場合、赤字だから、申告すれば、税金として納めた千円は全額戻ってくる。経費が3000円なら、1万円から経費3000円を引いた7000円にだけ税金がかかることになるので、確定申告すれば300円戻ってくる。

研究者の場合、1万円の原稿料、講演料を得るのに、1万円以上経費を使うことは、実によくあることである。原稿を書くために参考にする専門書を数冊買えば、1万円を簡単に超えるし、学会で招待講演して1万円の講演謝礼をもらいながら、交通費が3万円かかることもよくある。研究者は、そういうお金の使い方をよくしている。研究者としての本業の収入から赤字分を埋め合わせに使うのである。税務署から文句を言われたことはないけれど、例えば原稿料収入5万円、書籍代30万円という形での赤字は本当によくあることである。研究者は原稿料がもらえるだけでも御の字ということだ。

原稿料収入などの雑収入(雑所得)は赤字であれば、その収入に関して税金はかからなくなるが、雑所得の赤字分を使って、本業の給料(給与所得)にかかる税金を減らすことはできない。これを「損益通算はできない」と言う。

上のように経費が収入(原稿料等)を上回る場合以外でも、他に収入のない学生、あるいは無給の研究者が雑収入を得た場合も、年収的に税金を払う必要がないので、確定申告すれば、天引きされた税金が全額戻ってくる。年収103万円以下(学生の場合は勤労学生となるので130万円以下)なら、原稿料等から天引きされた税金は全額戻ってくることになる。確定申告しないと大損である。(私は以前これを知らず、本来支払う必要のない税金を納めてしまっていた)

私は自分で書類を作って、確定申告するようになって、10年以上になるが、慣れればそれほど難しくはない。1回申告しておけば、昨年の書類を参考にしながら、楽に書類を作ることができる。

初めて確定申告したときは、書籍代などの領収証を集めて集計し、確定申告のときに書類と一緒に税務署に持参したのだったが、申告書類を出すときに一緒に領収証を出すと、「自宅に保管して置いてください。持ってこなくていいです。」と言われてしまい、拍子抜けしてしまった。その場で、何もごちゃごちゃ言われることなく、簡単に受理されて、控え書類にハンコを押してくれた。領収証の類は、見せるように言われたときに見せられるように、自宅に置いておけばいいらしい。(白色申告の場合の話である。青色になると違うらしい。) 書類提出後、2~4週間ほどで、自分の指定した銀行口座に、税の還付金が振り込まれるようだ。

■ 自宅パソコンから電子申告

昨年までは、手書きで書類を作成して、税務署に郵送していたが、今年からPCからネット経由で電子申告することにした。以下はその記録。

1.市役所に行って、住民基本台帳カードを発行してもらい、電子証明書の交付を受ける。

金沢市の場合、市役所の出張所では電子証明書の交付を受けられないと聞いたので、街中の市役所まで出向いた。10~15分でもらえると出張所の人に言われたが、案の定、1時間かかった。まず窓口で住民基本台帳カード(住基カード)の交付申請をすると、10分後、別の窓口で500円と引き換えに住基カードをゲット。その後、そのカードを持って、はじめの窓口にもう一度並び、今度は電子証明書の交付申請をする。カードの中に電子証明書を入れてもらった後、またもう一個の窓口に行って、自分の暗証番号を登録する。その後、また500円払って、電子証明書交付済みの住基カードをもらって終了。

2.ICカードリーダーを購入する。

勤務先で個人認証のためにICカードリーダーを使っていたので、それが使えるかと思っていたのだが、認識されなかった。住基カードに対応しているカードリーダーを近所の量販店で購入した。金沢市推奨のものが日立製とシャープ製らしいが(量販店談)、2980円のシャープ製を買った。

3.ICカードリーダーをインストール

シャープ製はCD-ROMが付属せず、シャープのWebサイトからソフトウェアをダウンロードして、インストールするようになっている。日立製はCD-ROM付属だが、CD-ROMは邪魔になるだけなので、シャープを選んだ。

4.公的個人認証サービス(JPKI)ソフトをインストール

金沢市役所で住基カードと一緒にCD-ROMを渡されたのだが、このCD-ROMでインストールしたところ、電子申告中にバージョンが古いことを示すエラーが出たので、Webサイトから最新版をダウンロードしてインストールし直した。

後は、e-Tax(イータックス、国税電子申告・納税システム)から、案内に従って、電子申告の手続きを済ませた。

昨夜の午後10時過ぎから3.の作業を初めて、電子申告が完了したのが、午前2時21分だった。4時間強を費やしてしまった。送信時にエラーが4,5回出て対処したが、順調な方なのか、苦労した方なのかよくわからない。まあ1日で済んだのでよしとしよう。

電子申告の方が計算が楽である。紙媒体なら説明を見ながら電卓やエクセルで計算していたところが、自動的に計算されて表示される。紙なら、複写式なので強い筆圧で書く必要があるが、それもない。ミスのときの訂正も楽である。また、紙媒体で申告するときにはない電子申告控除5000円がある。電子申告を使えば、還付される税金が5000円増えることになる。

私はPCに慣れている方だと思うが、マニュアル、手順などを流し読みしながら(精読せず)、行き当たりばったりでやったところ、最後の最後の送信時にエラーがでた。エラーメッセージを検索すると、対処法の載っているHPがたくさん出てくるので大変参考になった。市役所で前に並んでいた60代の男性が、同じく電子申告用の住基カードを交付申請していたのだが、要領を得ない質問をあれこれしていた。今回、電子申告を体験してみて、あの男性は多分あきらめるだろうな・・・と思った。

私が経験したエラーは、以下が原因だった。

・Acrobat Readerのバージョンが古かった。
・公的個人認証サービス(JPKI)ソフトに、ICカードリーダの機種を登録していなかった。
・Javaをインストールしていなかった。
・開始届出だけでなく、初期登録もする必要があった。

また、16桁の利用者識別番号、6桁の納税用確認番号はメモしておく必要がある。

電子申告に使うe-TaxのHPは比較的わかりやすい方だと思うが、税理士向けの記述と個人向けの記述が錯綜しているところがあって、個人向けのところは個人向けに絞って書いて欲しいものである。税理士向けの説明が、個人向けと同じくらい丁寧にしてあったのも意外だった。

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