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2009年12月28日 (月)

ペンタエリスリトールは爆薬ではない

さきほど、日本テレビ系のニュースを見ていると、着陸直前のノースウェスト航空機内で起きたテロ未遂事件の容疑者が持ち込んだ爆発物に、爆薬「ペンタエリスリトール」が使われていたと伝えていた。

米機テロ未遂 強力な爆薬使われる
アメリカ・デトロイト行きの「ノースウエスト航空」機で起きたテロ未遂事件で、アメリカの司法当局は26日、航空機に爆発物を持ち込み、爆破しようとしたとして、ナイジェリア国籍のアブドルムタラブ容疑者(23)を訴追し、本格的な調べを始めた。また、これまでの調べで、アブドルムタラブ容疑者が機内に持ち込んだ爆発物には、兵器に利用される強力な爆薬「ペンタエリスリトール」が使われていたことが明らかになった。
日テレNEWS24のサイトより引用
http://www.news24.jp/articles/2009/12/27/10150550.html

爆薬に関するこの報道は間違いである。「ペンタエリスリトール」は爆薬ではない(重要)。

ペンタエリスリトール(ペンタエリトリトールとも書く、pentarythritol)はC(CH2OH)4の化学式で表わされる4価のアルコールである。分子内にめいっぱいアルコール性水酸基-OHをつけたような構造をしている。爆薬の原料にはなるが、これ自体は何ら爆発性は持たない。

ペンタエリスリトールが爆薬原料だが爆薬ではないのは、3価アルコールのグリセリンが爆薬の原料だが爆薬ではないのと同じ理屈である。逆にいえば、グリセリンの化合物であるニトログリセリンが強力な爆薬になるのと同様、ペンタエリスリトールの同等の化合物も強力な爆薬になるということだ。この強力な爆薬はPETNと略記されるプラスチック爆弾のようである。

ペンタエリスリトール自体は、塗料の原料などに用いられる。プラスチックを燃えにくくするための難燃剤とともに難燃助剤としてプラスチックに添加されることもある。

※ 爆薬の中には比較的簡単な実験で調製できるものもあるが、作業者自身の安全を確保しながら調製するのはかなり難しい。自分が作業中に爆死することもあるし、手を失うこともあるので、極めて危険である。同じようなことは毒ガスの調製にもいえる。

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