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2010年12月23日 (木)

生まれて初めて肛門科を受診

早生まれなので、今年が本厄だった。別段、病気もせず、無事一年を終わりそうだったが、最後の最後に肛門科に行く羽目になった。こういう話は、興味のない人には気持ち悪いだけなので、読まずにおくことを勧める。

■ 受診するまで

先週、15日(水)あたりから、肛門の周囲に今までにない痛みがあって座りにくい。痛まない角度を探せば大丈夫だが、かなりの違和感だ。肛門周辺が何か少しだけ出っ張ってるような気もする。くしゃみや咳をしただけでも痛む。こんなことははじめてであった。

出血もないので様子を見ていると、金曜には寒気、倦怠感まで出てきた。インフルエンザにかかったときの様に、太ももから足先にかけて軽く疼痛があって寒い。熱はないし、風邪の症状もない。いつもは暑がりなのにである。とにかく、冷え症の人のように、足先が冷えて、仕方がなかった。

自分で肛門周りを見てみると、外観上、何の病変もないように見える尾骨側(6時の方向)を押すと痛む。しかも内部に小さく硬いしこりのようなものがいくつかある。それを押すと痛いのである。

土曜には、『プリザエース坐剤』を買ってきて、3回ほど使ったが、症状はあまり変わらなかった。

日曜になっても、人より暑がりな私が、人より寒がっている。熱はない。風邪の症状もない。肛門は相変わらず痛い。ということで、翌日には肛門科に行こうと決めた。肛門科の評判なんて、私らの世代だと口コミじゃあまり伝わらない。「肛門科」を診療科目に掲げた医院で、家から近いところをネットで探して、比較的近くにあるA胃腸科外科に行くことにした。こういうときには「肛門科」を掲げていない医院には行っても仕方がないと思う。

■ 初診で切開へ

12月20日(月)、朝一で行ったが、休み明けだったので少し混んでいた。他の患者さんは付き添いのいる高齢者がほとんどだった。

順番が来て、症状を伝えると、「そこでお尻を診ます」と隣の処置室の黒いベッドへ。左を下にして横向きに寝る(左側臥位)。ズボンと下着を膝まで下げて、お尻だけを出した状態。先生が指(見ていないが指と思う)を突っ込んでくると、激痛が・・・。苦しんできた痛みをさらに数倍にした痛みである。尾骨方向、左右、いろんな方向に動くたび、「痛い、痛い、痛い・・・」と痛みを訴えた。触診やら、その痛がり方やらでわかったのか、「膿(うみ)がかなりたまっています」との診断。

肛門の病気について何も調べずに受診したので、想定の範囲外の診断だった。後でわかったが「肛門周囲膿瘍(のうよう)」という名である。正直、それまで知らなかった名だ。名だけは仰々しいので、膿みがたまっているの表現の方が適切な気がする。これが進行したものが、痔ろうである。

先生は「切開して出しますか?」と、また想定の範囲になかった質問を続ける。「切開するとどうなるんですか」と聞くと、「ベンを出した後は、周りを消毒薬で拭いてもらう必要がある」。「抗生物質でたたいて、しばらく様子をみるのもいいけど」とも言われ、そちらを選びかけるが、「でも、いずれ切開せないかんようになるよ」と言われたので、その場で切開することを選択、外来での簡単な手術となった。

「では準備しますから」

同じ体勢のまま、ズボンにタオルをかけられ、腰の下にガーゼを敷かれ、さらに術野がよく見えるように、看護婦さんに、けつっぺたを広げられてテープで固定された。

まず、麻酔なのだがこれが一番痛かった。親知らずを抜いた経験から、麻酔は最初の一瞬はズキンと痛むが、その後は麻酔が効くので痛くないという思い込みがあった。それが、今回は麻酔を打っている10~20秒の間、ずっとそのズキンが続いていたのである。しかも動いてはいけないので辛い。看護婦さんが二人がかりで体重をかけて下肢を動かないように押さえていたし、私は「痛い、痛い」といいながら、ベッドのへりを思い切り握って力を逃がしていたのである。「あと、5ミリリットル追加して」の声が聞こえた。この5ミリリットルも後で注射されたようだが、このときは麻酔が効いて感覚がなかった。麻酔薬はリドカイン注射液(1%)を合計15ミリリットル。

「メス5番」の声が聞こえた。切開に入るらしい。いろいろ処置しているようであるが、本人に様子はわからない。「(膿が)これで出てきた」の声が聞こえた。説明されて知ったが、その後、切開した場所を経由して、膿が入っていた場所にドレーンを入れられ、糸で固定された。短いストローのようなものを肛門の横に差し込まれたわけである。そこから残っている膿が出てくるらしい。その後、ガーゼをかぶせられて、終了。

以上のことを、一言でいえば、外来の初診で、肛門周囲膿瘍を切開して排膿し、ドレーンを留置したとなる。

午前9時半頃に診察室に入り、手術が終わって、待合室に戻ったのは10時前である。30分もかからなかった。

「今日は、普段通り、生活してよいが、お風呂はダメで、軽くシャワーをする程度にしてください、明日、もう一度来て見せてください」という指示だった。

受付で、薬をもらって、支払いを済ませる。7810円(保険の効く分25340円×0.3+保険の効かない分210円)。ネットで調べるとかなり安い方らしい。肛門専門の病院には保険が効かないところも少なくないという。

処方された内服薬は、エリカナールカプセル250(セフェム系抗生物質)1日6カプセル×5日分、ビオフェルミンR(整腸剤)1日3錠×5日分。外用薬はマスキン液(5w/v%)、微温湯に溶かして希釈し、ガーゼに吸わせて消毒に使う。

手術前にあった痛みはほぼ完全に解消したのであるが、留置されたドレーンがかなり痛い。鏡を見て知ったが、ちょうどシッポが生えているかのように、ストロー様の出口が下向きに出ていた。座るとこれが邪魔になって痛いのである。だんだんと麻酔が切れてくると痛みが増してきた。歩けるけれども、ドレーンがこすれるためか、痛くてゆっくりとお散歩程度の速度でしか歩けないのだった。

あまりにも痛いので、後で電話して、鎮痛剤のボルタレンを5錠追加してもらった。飲み薬である。20円だった。ボルタレンはよく効いた。こういうとき、座薬のボルタレンはありなのだろうかと変なことを考えた。

無理すれば、仕事ができないでもないが、こんな痛みがあると集中力を欠くので、こういうときくらい休むことにした。横になっていると楽であった。

■ 切開翌日

朝一で行くとすぐに見てもらえた。先生「どうですか?」、私「痔の痛みはもうないんですが、ドレーンが痛くて痛くて。今日、抜いてもらえるんでしょうか?」

前日と同じように寝てみてもらうと、「膿たくさん出てるね」と言われ、膿はたくさん出た方がよいことに改めて気付く。ガーゼを見た限りでは、ニキビをつぶしたときのような膿がたくさん付着していた。薄まった血と思われるピンク色の血液もところどころ付着していた。

糸を切る音が聞こえて、ドレーンを抜かれた。ドレーンを抜く時がまた痛い。

「ツッペル」、「ツッペルないです」というやり取りが聞こえる。ツッペルは特殊な形のガーゼのことらしい。ドレーンがあった場所に、小さいガーゼを詰められ(詰めるとき、また痛い)、さらにガーゼを当てて終了となった。10分もかからなかった。「翌日から入浴していいですが、今日はシャワーで」と言われた。まだ、お酒はダメなようである。24日にもう一度来てくださいと言われた。

ドレーンを抜いてもらった後は、もうほとんど痛みはなくなった。手術前の痔の痛みもなくなり、今のところ、快調である。

■ このあとどうなるのか?

いまは切開してから二日後なのであるが、手術前の症状に関しては治った感じがしている。ネットで調べると、肛門周囲膿瘍は後で痔ろうになるとしているものやら、直接の関係はないとしているものやら、いろいろなのだが、次のような論文があった。

低位筋間型肛門周囲膿瘍に対する切開排膿に関して(日本大腸肛門学会誌63: 415-418, 2010)によると、経過観察1~66ヶ月(中央値20ヶ月)で、6割強が治癒(膿瘍の再発あるいは痔ろうの形成なし)という統計データになっている。

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コメント

その後どうなりましたか?
とても気になります。

投稿: ねこ | 2017年6月 3日 (土) 20時42分

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