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2011年2月 4日 (金)

「ひとり実験禁止」は安全管理の基本

一人きりの実験は危険なので禁止」が、安全管理の基本である。実験に限らず、一般的な作業でも同様だ。事故で、自分が動けなくなったり、気を失ったりして、自分で対応できないようなときに、気付いてくれる人がいなければ、極めて危険な状況になる。誰か周囲に気付いてくれる人がいれば助かったのに、あるいは軽症で済んだのにという事例が少なくない。

工場などの作業場では「一人作業禁止」、実験室では「一人実験禁止」。

こんな例がある。液体窒素を製造装置から専用容器に移す作業を一人で行っていた男性。ちょうど配管の霜取りをしたばかりで、液体窒素が中を通る金属部が露出していた。うっかり触ってしまい、手が取れなくなった。無理に取ろうとすると皮膚がはがれそうである。でも、早く取らないと凍傷になってしまう。口で温めてとろうと、くっついた部分をなめたら、今度は口までくっついて取れなくなってしまった・・・。

誰かそばにいればお湯を持って来てもらうなりして、何とかなったはずだが、一人で作業していたのが不運であった。

で、一人実験禁止、ひとり実験禁止の貼り紙でもしておこうかとベタなポスターを考えた。「hitorij.doc」をダウンロード

Htr_jik_2 

ムンクの『叫び』が元ネタのパロディ、いわゆる二次著作物です。ムンクの著作権は既に消滅しています。知人に見せたら面白がって、使わせてくれと言っていたので、臆面もなくここに掲載しました。使いたければ、自由に使ってください。二次著作者の権利は無視して構いません。

最先端の繊細な作業を伴う実験は、他人がいることによるノイズを嫌うことが多い。一昔前、STM(走査型トンネル顕微鏡)で分析している研究者は、隣室で人が歩いているだけでノイズが出て測れないと言っていた。「針が動くんだよっ!」とよく隣室に怒鳴りこんでいたという。人がおらず、地下鉄もエレベータも停止した深夜でないと、良い信号が取れないと、よく言っていた。

こんな場合でも、安全が優先することはいうまでもない。原因、状況がよくわからない状態で、翌日、遺体となって発見されることは避けたいものである。目撃者がいないので、原因の推定しかできない例も少なくない。

ちなみに、阪神淡路大震災における死亡者数の年齢別分布では、高齢になるほど多くなる傾向があったのだが、その傾向とは別に20代の死亡者数が突出していた。これは20代に一人暮らしが多かったためとされている。一人暮らしでなければ、相当の割合が死亡から免れたということだろう。

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