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2011年6月30日 (木)

国土交通大臣認定の「不燃木材」、10社中9社が性能不足

建築基準法に基づく「不燃材料」として、国土交通大臣の認定を受けた「不燃木材」の抜き打ちサンプル調査を同省が行ったところ、10社10製品中、9社9製品が必要な不燃性能を有しておらず、かつ大臣の認定した仕様を満たしていないことが明らかになった。

ちなみに、私が共同研究で関係した会社、および不燃材料はこの9製品の中に含まれていなかった。

国土交通省報道発表資料「不燃木材に関する不燃材料の大臣認定仕様との不適合について」

9社9製品の内訳はこちら mlitlist.pdf 。9社は(株)ヨコタニ、アドコスミック(株)、(有)ASA・不燃木材合板、(有)ナニハ木材、チャネルオリジナル(株)、(株)丸七ヒダ川ウッド、亀村木材(株)、越井木材工業(株)、(株)ARS。(使用実績の多い順)

1998年に建築基準法が改正され、不燃材料は「仕様規定」から、「性能規定」に変更された。つまり、それまで材質が鉄、コンクリート等でなければ不燃材料として認められなかったのが、試験で一定の不燃性能を満たせば、木材でも不燃材料として認められるようになった木材を不燃加工し、手続きを経て、国土交通大臣の認定を取得すれば、建築物で鉄が使われていた場所に、不燃木材を使用できるようになったのである。

不燃材料の認定を受けるには、10cm×10cmの試験片を、コーンカロリーメータで加熱し、20分間の発熱量が8MJ/m2以下で、かつ試験片に亀裂、貫通が生じないことが必要条件になる。試験片の厚さは、認定を受けたい厚さにしておく。ちなみに10分間の発熱量が8MJ/m2以下なら「準不燃」、5分間の発熱量が8MJ/m2以下なら「難燃」となる。

認定の際には、上記の条件をクリアした際の試験片の厚み、比重(密度)、塗装の有無、使用した薬剤とその量などを記載して、その仕様での認定となる。上記の9製品は不燃性能を満たさないどころか、比重でさえ認定を受けた仕様の範囲になかった。これは注入した薬剤量の不足を意味する。不燃認定を受けた後は、いい加減な品質管理のもとに出荷していたようである。不燃木材なのに、かなり安い価格で流通していたとも聞く。

基準を満たさなかった9製品のうち、7製品の発熱量が基準の8MJ/m2の5倍を超え、1製品が10倍を超えた。1製品は裏側まで亀裂が入ったという。

木材は、工業製品とは異なって、加工前の木材の性質にばらつきが大きい。丸太のロットによって異なるし、辺材か芯材か、節の付近かによっても異なる。特にスギ材はばらつきが大きいようである。まじめな業者は、安全のために少し多めに薬剤を注入しておく。

ちなみに、不燃木材は、上述の不燃性能を満たすものであるが、炭化しない訳ではない。炭化して黒くなるが炎を出さないものをいう。炎が出るものは、上述の発熱量をクリアできないはずである。

現在、不燃認定試験は以前よりかなり厳格になっている。サンプルの切断を先方でやったり、提供した多数の試験片の中から先方が選んだりである。今回の9製品は、いずれも2004~2007年に認定を受けたものであった。

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