単斜晶(monoclinic)の単位格子の取り方に関するメモ
ある物質の文献を調べたところ、次の2種類の結晶構造が報告されていた。両方とも単斜晶で、
① a=7.93, b=5.09, c=6.15, β=104.3°
② a=8.75, b=5.09, c=6.13, β=118.8°
単位はÅ、βはa軸とc軸のなす角である。
パターンを照合してみたのだが、上の①②の結晶構造は同じものだった。例えば、①の(-202)は、②の(002)と同じである。一瞬、あれっ?と思うが、単位格子の取り方の違いだった。理論上、単斜晶には単位格子の取り方が無限に存在する。
紙面をb軸に垂直、つまりac面に平行に取ると、上のようになる。①の単位格子を2つ重ねた図だが、②の単位格子は緑でなぞった部分となる。赤線が①の(-202)、②の(001)である。
①の単位格子を3つ、4つ、・・・と重ねて同じ取り方をすれば、いくらでもβの大きい単位格子が取れる。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント