2007年8月 3日 (金)

自分の論文の被引用回数を調べてみた

学術雑誌に発表した論文が、発表後に、どういう評価を受けたか。つまり素晴らしい研究か、そうでないかというようなことは、その論文が、別の論文に引用される回数(被引用回数)で、評価されることが多い。いい論文なら、その論文を参考にする研究者が多いから、被引用回数が多くなるはずだという考え方である。

前から、自分の発表した論文の被引用回数を調べたいと思っていたのだが、調べるには普通、Thomson Scientific社のScience Citation Index (SCI)を使う必要があり、これはカネがかかるので、やっていなかったのだった。

ひょんなことから、SCOPUSというデータベースでトライアルユーザーに登録すれば、30日間は被引用回数を無料で検索できることを知り、早速、調べてみた。このデータベースでは、自分が出願した日本の特許の題名まで、英訳して表示されていた。情報化社会はここまで来てるのか・・・。

自分がこれまでに学術雑誌に発表した原著論文(original paper)は34報。うち日本語の5報と、2006年以降に掲載されてまだデータがまとまっていない3報を除外した26報の被引用回数の合計は、236回であった。1報当たりの被引用回数の平均は9.1回だった。恥をしのんで書くが、被引用回数0回の論文が3報もあった・・・。最高回数は1996年のJ. Phys. Chem. Bの38回で、私の処女論文である1993年のSolid State Ionicsが意外と高く15回だった。ありがたいことに十余年経った今でも引用してくれている研究グループがあった。

調べてみるまで、0のオンパレードだったらどうしようと不安に思っていたが、杞憂であった。

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2007年1月26日 (金)

2007年度の講義日程

2007年度、私が講義等で埋まっている時間は下記の通り

春学期(4月7日~6月30日)

 月曜 1~2限 無機化学1

 木曜 6限 無機化学1

 金曜 4~6限 専門実験・演習2

 他2コマ ゼミ

秋学期(8月28日~11月17日)

 月曜 1限 安全工学(バイオ化学科) 2限 安全工学(環境化学科)

 金曜 4~6限 専門実験・演習2

 他2コマ

冬学期(11月28日~2月27日)

 火曜 1限 無機機能化学

 木曜 1~2限 無機機能化学

 木曜 4~5限 化学コンピュータ演習

 金曜 4~6限 専門実験・演習2

 他2コマ ゼミ

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2006年9月28日 (木)

アウトプットの記録 特許2

出願中だったまた別の特許が成立した。弁理士から届いた成功報酬請求書によって知った。

拒絶理由通知が1度届いたが、請求項の範囲をかなり狭める補正をしたことで、すぐに特許査定となった。この特許は、塩ビなどの塩素含有プラスチックを焼却しても、塩化水素を発生しないようにする技術について。

発明の名称:焼却処分用の塩素含有プラスチックと、その焼却処分方法

出願人:学校法人金沢工業大学 ほか1社

特願2003-134987、特開2004-339289、出願日2003.5.13、公開日2004.12.2

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2006年8月31日 (木)

アウトプットの記録 論文

うちで開発した高濃度ホウ酸ナトリウム水溶液の作製技術を論文(paper)にまとめて投稿していたのだが、先週、金曜日にaccept(受理)の通知が届いた。木材用の不燃剤として既に実用化した高濃度ホウ酸ナトリウム水溶液の基本的な調製技術に関してまとめたものである。

"Preparation of Highly Concentrated Aqueous Solution of Sodium Borate."

Inorg. Chem. Commun. (Inorganic Chemistry Communicationsの略)

Isao Tsuyumoto*, Tokokazu Oshio, Kenji Katayama

上述の雑誌は2005年のImpact Factorが1.826だから、良い部類に入るジャーナルである。

実はこれよりも、格上の別の雑誌にLetterとして投稿したら、Refereeが「11BoronのNMRスペクトルをとってからFull Paperとして再投稿することを薦める」などと審査結果を書いてきたので、それには対応せずに、投稿しなおしたものであった。

Refereeによって指摘するポイントが異なるのはよくあることだが、Inorg. Chem. Commun.は比較的すんなりと審査が進んで、Refereeの一人は"In summary, this is a good and fascinating subject. The evidence presented in this paper has reached the level of a journal publication."と書いてくれていた。

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アウトプットの記録 特許

私が発明者となっていた特許が成立したとのことで、出願人から特許査定の通知が届いた。先週の木曜(8月24日)のことである。

発明の名称:表面張力・界面張力測定のためのレーザー散乱法及びその装置

出願人:独立行政法人科学技術振興機構(出願時は科学技術振興事業団)

特願2000-278975、特開2002-090281、出願日2000.9.14、公開日2002.3.27

発明した時期が微妙なこともあって、出願人は勤務先でなく、公的なところになっている。レーザーを使って、表面張力・界面張力を測る方法(準弾性レーザー散乱法)を、簡便化する技術の特許である。そのエッセンスは下記の通り、Analytical Chemistryにも、報文としてまとめてある。

"High-performance and Simplified Quasi-Elastic Laser Scattering Method Using Homodyne Detection in Beam Divergence." Isao Tsuyumoto, Hiroshi Uchikawa, Anal. Chem. 2001, 73 [10], 2366-2368.

特許査定の文面は「この出願については、拒絶の理由を発見しないから、特許査定する」と、いかにも法務的、役所的なものだと知った。

特許成立までに2回、それぞれ独立した内容の拒絶理由通知が届いたが、いずれも請求の範囲を減らせばクリアできる内容であった。

第1年分~第3年分まで特許料55,500円の納付も済ませてあったので、後はライセンス先などを開拓することになる。

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2006年8月30日 (水)

ウィトゲンシュタインにインスパイアされて

と書くと大げさだが、何か哲学的なことを思いついたのではない。正確に言うと、ウィトゲンシュタインの研究者に示唆されたのである、と言っても大げさか。ウィトゲンシュタインの書き残したものには、すべて後世の研究者によって、アルファベットと番号が振られて整理されている。手稿MS101~MS183、タイプ原稿TS201~TS245、口述原稿D301~D311と言った感じである。

これは便利だと思い、自分の書いたものすべてにアルファベットと番号を振ることにした。メモを散逸させてしまうことの多かった私はメモ用紙やルーズリーフでなく、できるだけ、綴じられたノート類に書くことにした。

例えば、E8-78参照とメモすれば、E8と書いた実験ノートの78ページを意味するので、整理に便利である。

書き残したものの記録は非常に重要である。実験ノートを保管しておかねばならないのはいうまでもないが、実験・打ち合わせなどの記録が特許裁判などの有力な証拠に採用されることもあるので気が抜けないのだ。

で、以下は自分用の整理リスト

実験ノート(アルファベットE A4版の200頁のコクヨ補助帳)

E3 1999/4~2001/3/3、 E4 2001/3/5~2001/3/26、 E5 2002/3/27~2002/9/24、 E6 2002/9/24~2003/9/26、 E7 2003/9/17~2005/1/25、 E8 2005/1/27~

ノート(アルファベットN B5版のキャンパスノート)

N1 2000/7/1~2001/3/22(主にセミナー)、 N2 2001/3/22~2003/6/5(主にセミナー)、 N3 2001/3/28~2003/9/5(セミナー、打ち合わせ、立会い実験)、 N4 2003/9/8~2004/5/15(主に取材、打ち合わせ)、 N5 2003/9/22~2004/7/27(主に打ち合わせ)、N6 2004/6/22~2005/4/28(XPS実習、打ち合わせ)、 N7 2005/6/14(SEM&EDX使用法)、 N9 2005/12/19~(主に不燃関連出張実験)、 N10 2006/3/14~(主にセミナー)、 N11 2006/6/26~(セミナー、打ち合わせ)

講義ノート(アルファベットL B5版のキャンパスノート)

L1 専門実験・演習、 L2 環境分析化学、 L3 無機化学1、 L4 化学コンピュータ演習、 L5 無機化学1、 L6 電気化学

メモ帳(アルファベットN A6サイズのミニノート)

M1~M4 2002年、M5~M6 2003年(一部2002年)、M7~M8 2004年、M9~M11 2005年、M12~M13 2006年

自分のメモ・ノートは書く量が限られていることもあって、比較的整理が楽である。

目下の悩みの種は、半永久保存の必要なA4サイズの書類の整理である。紙のフラットファイルだったり、ごついチューブファイルだったり、リングファイルだったり、クリアファイルだったり、封筒に入っていたり、あれはどこにやったかなと探すに苦労している。

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2006年8月28日 (月)

本日よりブログ開設しました

忘れてしまいがちなアイデア、気づき、出来事、資料などのもっとも有効な整理法は、自分のためだけに記録、整理するのではなく、他人にも読める形でアウトプットすることのようです。主に自分用のメモ・ノート代わりのつもりでブログを開設しました。酔狂な方はご覧ください。

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